頭痛について
こんにちは。
新型コロナウイルスの話題ばかりなので、一旦外れてみます。
今日は頭痛についてのお話です。
開院以来、思った以上に頭痛の相談をたくさん頂いております。今回の記事では、頭痛の原因として頻度の高い「片頭痛」と「緊張型頭痛」についてお話したいと思います。
片頭痛は誰もが聞いたことがあるものかと思います。ですが、臨床上では緊張型頭痛の頻度が最多です。
緊張型頭痛を片頭痛と思っていられる患者さんも多く、これらは治療法も異なるので、しっかりと鑑別する必要があります。
脳の血管が拡がって痛むのが「片頭痛」
頭の周りの筋肉が緊張して痛むのが「緊張型頭痛」
何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起きるのが「片頭痛」です。 脳の血管が拡張することで、周囲の三叉(さんさ)神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して「片頭痛」を発症します。心身のストレスから解放されたときに急に血管が拡張することがあり、仕事のない週末などに「片頭痛」が起こることもあります。そのほか、寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども、「片頭痛」の誘因とされています。
一方、「緊張型頭痛」は、頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きます。 筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。「緊張型頭痛」を引き起こす原因は、精神的・身体的ストレスであることが多く、コンピューター操作などで長時間同じ姿勢をとり続けている人に起こりやすい病気です。
また片頭痛と緊張型頭痛を併せ持つ患者さんもいます。
画像所見はどちらも正常ですので、症状が大事です。問診により鑑別を行っていきます。
脈打つように痛み、吐き気も伴うのが「片頭痛」
頭全体が締め付けられるように痛いのが「緊張型頭痛」(肩こりを伴うことが多いです)
細かく症状をみていきましょう。
「片頭痛」ではこめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の拍動に合わせるように痛みます。 頭の片側だけが痛いとは限らず両側が痛むこともあり、日常生活に支障が出る(ここが緊張型頭痛との大きな違いです)こともある発作性の頭痛です。片頭痛の特徴は体を動かして頭の位置を変えると痛みが増幅することです。また頭痛以外に吐き気、嘔吐(ここも緊張型頭痛との大きな違いです)などの随伴症状があり、光、音、におい、気圧や温度の変化に対し敏感になることも特徴です。頭痛は数時間程度のこともあれば、3日間くらい続くこともあり、頻度や時間には個人差がありますが、多い人では1週間に2-3回と周期的に頭痛を繰り返します。
一方、「緊張型頭痛」は無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって、目の疲れや倦怠感などとともに痛みが現れやすいのが特徴です。後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッとしめつけられるように痛みます。吐き気や嘔吐などといった頭痛以外の症状は現れず、日常生活への支障も片頭痛ほどではありません。(ここがポイントです)数時間で治まる場合や、頭痛が数ヶ月以上も続くなど、慢性化するケースもあります。
頭痛でお悩みの方は、まずはご相談ください。