生活習慣病外来

生活習慣病とは

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生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症や進行に関与する疾患群のことです。

その代表例が糖尿病(2型)、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などです。

これらの疾患は生活習慣を見直すことにより、予防・改善することが可能です。

しかし長い間放置すると、心筋梗塞や脳梗塞といった大きな病気のリスクを高めてしまいます。

特定健診が普及し、健診でこれらの異常を指摘される方は非常に多くいらっしゃいます。

生活習慣病を放置することは百害あって一利なしですので、健診で異常を指摘された方は、是非早めにご相談ください。

高血圧症

高血圧症とは、血圧の高い状態が続く病気です。

収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上、このいずれかを上回っている場合、高血圧症と診断します。

2019年にガイドラインが改訂され、正常血圧は収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満と、これまでよりずっと基準が厳しくなりました。

正常と高血圧の間を正常高値血圧(収縮期血圧 120-129mmHgかつ拡張期血圧 80mmHg未満)、高値血圧(収縮期血圧 130-139mmHg且つ/または拡張期血圧 80-89mmHg)と位置づけ、注意喚起しています。

血圧が高いということは、血管の壁に常に強い圧力がかかっているということですから、それを治療せずにいると、血管がダメージを受けて硬くなる動脈硬化が進んでしまいます。

血管がたくさんあるところほどその影響を受けやすく、具体的には、脳や腎臓、眼の網膜などです。

血液を送り出す際に負担がかかる心臓も、高血圧の合併症が現れやすい臓器です。

それぞれ、脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などを引き起こします。

そうならないよう、高血圧症と言われたら、血圧を適切に管理する必要があります。

日本人に多い高血圧症ですが、その多くは遺伝的要因(家系)や塩分過剰摂取、過体重、ストレスなどの環境要因による本態性高血圧症です。

しかし高血圧の約5%の方は、ホルモンの異常が原因の二次性高血圧症です。

若年で血圧が高い方、1−2剤の降圧薬では血圧がコントロール出来ない方、などは二次性高血圧症の可能性も考慮し、内分泌異常(血圧を上げるホルモンが過剰に出ていないか)を確認する必要があります。

予防と治療

まずは下記のことに気をつけましょう。

それでも血圧が高い場合は降圧薬を服用することになります。

  • 塩分を控える
  • 太り気味の場合は減量する
  • からだを動かす習慣を身につける
  • 禁煙を心掛け、アルコールの飲み過ぎに注意する

糖尿病は自覚症状に乏しいことが多いのですが、きちんと治療を受けないと、合併症によって生活の質(QOL)が低下したり、場合によっては命を落とす原因ともなります。

定期的に医療機関を受診し、病気のリスクを軽減していくことが大切です。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロール、トリグリセライドなど)が異常値を示す病気です。

血液中の脂質はいくつかのタイプに分けられ、健康な人は、LDL-コレステロール(悪玉)が140mg/dL未満、HDL-コレステロール(善玉)が40mg/dL以上、TG(中性脂肪)が150mg/dL未満です。

この3つの値のいずれかがその範囲を超えた状態が、脂質異常症です。

血液中の脂質が異常でも、通常、症状は現れません。

症状が現れないのにもかかわらず、知らず知らずのうちに、全身の血管がダメージを受けます。

その影響は、動脈硬化となって現れます。

動脈硬化が進むと、心臓や脳などの血液の流れが悪くなります。

そして、あるとき突然、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。

脂質異常症と指摘されたら、心臓や脳の発作を起こさないため、血清脂質値(とくに悪玉のLDL-コレステロール)を適切に管理する必要があります。

予防と治療

脂肪分の多い食事をとると、コレステロール値が高くなり、動脈硬化の進行を早めます。

具体的には、動物性脂肪である肉や卵などのとり過ぎに注意が必要です。

また中性脂肪値は、食事の量自体が多すぎたり、清涼飲料水またはアルコールを飲み過ぎたり、甘いお菓子を食べ過ぎると高くなります。

食物繊維の多い野菜をしっかり摂り、適切な体重の維持、運動を心がけることが重要です。

年齢、合併している疾患、家族歴などのリスクに応じて薬物治療も選択されます。

糖尿病

糖尿病とは、40歳以上の3人に1人が予備軍といわれる糖尿病は、インスリンの分泌や働きが低下することで、血液中のブドウ糖(血糖)が増え、高血糖の状態が続き、それが原因でさまざまな合併症を引き起こします。

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしていますが、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまいます。

多くの場合、初期には自覚症状はほとんどありませんが、進行すると、喉の渇き、多尿、頻尿、倦怠感、体重減少といった症状が現れます。

また、網膜症(視力低下、失明)、腎症(腎不全、人工透析)、神経障害(手足のしびれ)などさまざまな合併症の原因となり、重度の場合には昏睡状態(糖尿病性アシドージス)に陥り生命に危険が及ぶ事もあります。

予防と治療

まずは食事療法と運動療法が大事です。

糖尿病は放置すると心臓や脳・腎臓など大事な臓器に大きなダメージを加えます。

状態や経過に応じて、一人一人に合わせた治療の御提案を致します。

痛風(高尿酸血症)

痛風とは、「風が当たっただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。

主に足の親指の付け根付近に生じます。

患者さんの多くは30~50代の男性で、女性が痛風になることはめったにありません。

痛風発作の激しい痛みは数日間続き、やがて治まってきます。

このため患者さんの中には、発作の原因である「高尿酸血症」を治療せずにいる人が少なくありません。

高尿酸血症自体では自覚症状がないからです。

高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。

高尿酸血症のために体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。

関節に溜まった尿酸の結晶が痛風発作の原因となります。

痛風そのものは短期間で治っても、高尿酸血症を治さないことには体内の尿酸結晶はそのまま存在し続けます。

その結果、痛風発作が再発したり、腎臓中の尿酸結晶が原因で尿路結石ができたり腎機能が低下したり、といったさまざまな症状が起こります。

予防と治療

尿酸値を下げる具体的な方法の第一は減量です。

高尿酸血症の患者さんは太り気味であることが多く、減量すると尿酸値も下がります。

減量のためには、栄養バランスのよい適切なカロリーの食事をとること、そして適度な運動を続けることが欠かせません。

減量に加えて、尿酸値を上げない工夫も必要です。

例えばアルコール(とくにビール)を飲み過ぎない、体内で尿酸に変わる「プリン体」の多い食べ物(レバーなど)を食べ過ぎない、といったことに気をつけましょう。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさって、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患を招きやすくなっている状態を言います。

メタボリックシンドロームでは、単に体重が重いということではなく、内臓脂肪型肥満を問題としており、一般的にはウエスト周囲長で代用されています。

男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合に該当します。

内臓脂肪蓄積があると、高血圧、糖尿病や脂質異常症などが起こりやすくなり、しかもこれらが重複すると、動脈硬化を進行させる危険が高まることが分かってきました。

メタボリックシンドロームは、内臓肥満を背景に血圧・血糖・脂質の値が治療を要するほど高値でなくても動脈硬化が進行しやすい状態ですので、これらの値が明らかな異常値になる前に生活改善を心がけて、動脈硬化の進行にブレーキをかけ、生活習慣病を未然に防ごうという考え方なのです。

日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性で85cm、女性で90cmを超えていることが必須条件で、さらに高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つが基準値を超えるとメタボリックシンドロームと診断されます。

予防と治療

メタボリックシンドロームの改善には、内臓肥満の解消すなわち減量が欠かせません。

過食と運動不足を解消し、まずは現体重の5%を3〜6ヵ月かけて減量することを目標にしましょう。

きむら内科クリニック

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